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「イカロス」

作曲 横田美穂

5th『オトのハコブネ』収録

 

 

絵画にインスパイアされて曲を作る、絵画を観ることが好きな私にとって、挑戦し続けていきたいテーマの一つです。

 

ギリシャ神話に登場するイカロスは蝋で作った翼をもって太陽めがけて飛翔するのですが、太陽に近づきすぎたため、翼が溶けて落ちてしまうのです。

子ども心に悲しいギリシャ悲劇として受け止めていたのですが、ブリジストン美術館にてマティスの作品を見てびっくり!イカロスの印象が変わりました。

 

マティスの連作「サーカス」(またはジャズ)とうタイトルのついた素晴らしい切り絵作品の数々のなかにイカロスは登場します。

マティスの描くイカロスは真っ青で逞しいんです。夜空を飛んでいて夜空には星たちが煌めいています。なんて生き生きとエネルギーに満ち溢れているんでしょう!

高速で空を駆け抜けながら、自由に飛翔するイカロスの格好いいこと!!その輝きの眩しいこと!

 

まさに今、夢を叶えている、空を飛ぶことを楽しんでいるイカロスを音楽にしたいと思ったのでした。

 

最初に浮かんだのはピアノのリフです。

チェロの張った最初のロングトーンは、翼を張るワイヤーかも、飛翔のスピードかもしれません。

雲を超えて、目指したものしか見ることのできないキラキラした景色、

途中、気を抜いて落ちかけたり、でも、もがいてなんとか持ち堪えたり、

上昇気流を味方につけてどんどん、どんどん、太陽めがけて昇っていくイカロスです。

 

私たちだって一度は、いえ、人生何度だって、

やりたいことを追いかけて

夢を見ていいんじゃないかしら。

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